陶芸家のDNA
週末金曜日、仲良しの支配人のご紹介によりお招きをいただいて、
北野ガーデンへ。
北野坂をのぼりつめた、いかにも北野らしい立地に建つこの邸宅は
以前ファミリア北野坂ハウスだったところ。
さらに遡れば、船会社を営んでいた方のお屋敷だったという。
整えられた芝生が美しい庭をのぞむ1階サロンには
暖炉であたたかな火が燃えている。
ウエディングも可能なレストランに生まれ変わったのは、数年前?
現在は、某外食企業の経営だそうで、さまざまなイベントや展覧会なども
開かれるスペースだ。
お招きいただいたのは、 備前焼作家、つまり陶芸家の藤原和(かず)氏の
神戸では12年ぶりになるという個展のレセプションパーティー。
陶芸の世界には、まったく縁がなかっただけに、
そのお名前を聞いても判断も何もできないワタクシなのだけれども、
そのプロフィールを会場で伺って、仰天してしまった。
なんと藤原家は「人間国宝」一家だったのである。
釉薬を使わない備前焼は、まさに飾り気のない土そのものの味わいが
深い、らしい。
その備前焼の世界において、おじいさんの啓さん、お父さんの雄さんは
ともに「人間国宝」でいらっしゃるそうだ。
その3代目は、私の聞き違いによらなければ、平成元年に作陶の世界に
入られたという。ちょうど20年前、これまた私の勘違いでなければ
29歳のときである。
すでに巨人である祖父、父と同じ世界に足を踏み入れるということに
対して、和氏にためらいはなかったんだろうか?
と、いうようなことを全く感じさせないほど、和氏は精力的に作品を
発表し、会場にも大小さまざまの作品が展覧されていた。
それらは、用の美そのもので、たとえばテーブルの真ん中に飾られた
小さな花器は活けられた一輪の椿の美しさを見事に引き立てている、
といった具合。
下世話だけれども、その小ささでさえ数万円もする作品で、
大きな壺ともなると100万円近い値が付けられ、しかも予約済みの
赤いシールが貼られていたりするのだった。
けれども、当の和さんは、芸術家的気難しさとは無縁の、とても
朗らかでオープン・マインドなニコニコと大らかなお方だった。
装いがユニクロ@和さん、だったこともあるんだろうけれども。
さらに、訊けば縁は異なもので、チャーミングなご夫人はワタクシと
同郷であり、いまは神戸に暮らす夫人の妹ご夫妻は、なんと
ワタクシの中高の後輩なのだった!
たまたまお誘いいただいたパーティーだったけれども、
そこから開ける縁や世界があるのですね!
(支配人、いつもThanks!であります)。
それにしても、陶芸家のDNAおそるべし。
それは藤原家だからなのか、そうでないのか?
この先、和さんが「人間国宝」になりうる可能性も十分にある
だろう。
それでも29歳にして、もっとも近しい家族が「人間国宝」である
この世界にダイビングした青年の心意気は、本当に天晴れだ
と思う。
よい作品を創って当たり前、そうでなければ陰で謗られること
だって十分予想されるのだから。
いえ、そんな選択もまた陶芸家一家だからこそのDNAの仕業
なのかもしれない。


Comments