ジョディの行方
ジョディ・フォスターは、いったい、どこまで行ってしまうのだろうか?
師走の中にあっても、着々とDVDだけは観ているのだけれども、
昨秋、公開された彼女の作品「THE BRAVE ONE」(邦題:ブレイブワン)は
鬱々としたニュースが続く世情と相まって、
その非情で孤独で、強い愛情の揺りもどしでもあるような闘いぶりが、
強烈に迫ってきた。
ニューヨークの闇のなかで起こった、不幸な事故としかいいようのない
暴漢との遭遇で一瞬にしてドクターであるフィアンセを失ってしまう
人気ラジオ番組のディスク・ジョッキー。
幸せの絶頂から、まさに奈落へと突き落とされた彼女が
ただ1人、緻密に暴漢グループへと迫っていくドラマは、
まさか!の連続の信じられないサスペンス&バイオレンス劇だ。
けれども、シャープに研ぎ澄まされたジョディの成熟した強さゆえか、
いまのアメリカの闇をも思わせるリアル感を伴っている。
でも、悪に向かっていく、正義という単純な構図ではなく、
悪を、悪で征していく、その姿は凄まじい。
それまでの彼女の人生はフィアンセの死とともに終わり、
ある意味、人生を捨てて、新しく生まれた人間の「意志」というものを
見事に体現していたように思う。
その強烈な主人公、「勇敢なるもの」を、ここまで演じられる女優は
やはり彼女しかいないんだろう。
ここ最近、いえ、もうずっとかしらん?
ジョディの演じる役どころは、こんな風に果敢に「悪」や「敵」に
立ち向かっていくものが多い。
ウチなるものと闘い、外敵と戦う。そんな役どころで、
それがどんどんエスカレートしているようにも見えて、
少し切なくなってしまうのは何故なんだろう。
エンディングは、銃世界アメリカを象徴しつつも
それを超えた倫理の提示で終わるのだけれども、
決して後味がいいとはいえない幕切れだ。
何故って、彼女の人生は続いていき、
彼女のアクションは、決して忘れさることはできないものだから。
それでもフィアンセが遺した犬が無事に返ってきて、
彼女に寄り添ってくれるところに、希望がある。
彼女のグレイがかったブルーの瞳は相変わらず美しく、
物語には、クールでヒューマンな敏腕刑事も登場して、
深く印象に残る映画ではあるのだけれども…。


Recent Comments